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NBA2017-2018シーズンMIP予想

メディアを見る限りビクター・オラディポだとは思うが一応分析してみた。

分析方法

Shea&Baker(2013)*1で提案されたOffensive Efficiency(OE)を2016-2017シーズン、2017-2018シーズンの2年分算出し、今シーズンと昨シーズンの差をとる。こうしてOEの向上を分析する。

 OEは「その選手が終わらせたポゼッションの内、得点に結びついたポゼッションの割合*2を示す。

 OEには次に示す3つの利点がある。(1)攻撃効率はPERなどに比べて数式が容易である。(2)オフェンスの負担が大きい選手ほど、得点に結びつかなかったポゼッションによるペナルティが小さい。つまり、エース選手はダブルチームを敷かれたり、好ディフェンダーとマッチアップしていることを考慮できる。(3)オフェンスの関与の大きなプレイヤーのOEや、チーム全体のOEが、チームの勝率と正の相関関係を示す。つまり、OEが高いほど、チームが勝利しやすい。

データセット

Basketball-Reference.comから2016-2017, 2017-2018シーズンのデータを取得した。分析にあたって、ルーキーおよび一試合のプレイタイムが24分未満の選手、出場試合数が38試合未満の選手を除外した。こうして2シーズン分のデータセットを得た。

結果

OEが向上幅が大きかった選手上位10名と、オラディポ(43位)を載せた表を示す。

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 この表を見ると、10傑に入った選手は3パターンに整理できそうだ。1つ目はエース選手の加入によって役割が変わった(?)選手(サンダーのアダムス、ロバーソン)。2つ目は移籍によってチームの環境が大きく変わった選手(e.g., サボニス、カンター)、3つ目は2年目選手(ヴァレンタイン、サリッチ)。オラディポは2つ目の移籍によって環境が変わった選手に該当すると言える。

結論―誰がMIPか?

MIPはコンスタントに成長した選手よりは、エースに化けた選手が選ばれる傾向がある*3ので、PPGおよびその向上幅の大きいオラディポが受賞しそうである。MIP2位はアダムス(OE向上1位)、MIP3位は出場試合数も考慮に入れてロバーソン(同2位)ではなく、サボニス(同3位)と私は予想する。

 

Basketball Analytics: Objective and Efficient Strategies for Understanding How Teams Win

Basketball Analytics: Objective and Efficient Strategies for Understanding How Teams Win

 

 

 

 

 

 

 

*1:Stepen M. Shea & Christoper E. Baker, 2013. Basketball Analytics Objective  and efficient strategies for understanding how teams win. 

*2:数式は次式:(得点+アシスト)/(FG試投数+アシスト+ターンオーバー−オフェンスリバウンド)」

*3:OEによる分析はMIP予想とは相性が悪かったかもしれない。